モャッパ!

生きにくいよを生きやすく

ものすごいものを観てしまった

 

映画「レヴェナント」みてきました。ディカプリオがんばったんだってなー!見てみっか!くらいの気持ちで行ったのですが、

なんという神秘体験をしてしまったのか……

 

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構成としては今ちょうど読んでいる「老人と海」と近いかもしれない。

老人と海」のストーリーは一言で言ってしまえば「じいさんががんばって魚釣る」。「レヴェナント」のストーリーも一言で言えば「お父さんががんばって復讐劇」。

見るべきはストーリーと一緒に展開される体験や追想だと思ってもらったほうがピンとくるかも。(「ストーリーの面白みに欠ける」というレビューも見かけたので)

 

老人と海」を読み進めていくと、網をたぐる方法や、魚のとり方一つ一つに、サンチャゴの生き様がじわじわと見えてきますが、「レヴェナント」も同様で、主人公・グラスの無言かつ必死の行動から、心中の機微がこれでもかっ!これでもかっ!と見えてきます。無言なのに目覚めるシーンを見るたびに「なぜ自分は死んでしまっていないのだろう」という悲しいモノローグが聞こえてくるような気がします。

人物の胸中をいろいろと想像しながら見るのが好きな人にはぴったりぴったりな映画。

とにかく音楽と映像と人物の演技とが一体になってズイズイ迫ってくる!特に自然がちょっとしたファンタジー以上の迫力を持っていて、森は怖いし雪は怖いし川は怖いし文明社会に生まれてよかった……とちょっと涙目になるくらいでした。

みどころはなにはなくともグラスVS熊。絶対に熊に会わない生き方をしようとかたく心に誓いましたとさ。

2時間30分の鑑賞後は、まずまちがいなく腰の痛みがくるので入浴必須。

 

とりあえず30歳にして9回目の転職活動をして「いい加減ぴったりくる会社に入らないと死んでしまう」と泣きごとを言う我が兄にオススメしてあげようと思いました。

人間その気になれば死なない。(多分)